今更聞けない、情シスのためのネットワーク用語集
POP(Point of Presence)
POPとは
POP(ポップ)とは「Point of Presence」の略で、通信事業者やインターネットサービスプロバイダ(ISP)が、利用者を自社のネットワークにつなぐために各地に置いている接続拠点のことです。
POPには、通信回線やルーターなどのネットワーク機器が置かれています。利用者の通信はいったん近くのPOPに集まり、そこから事業者の基幹となるネットワーク(バックボーン)を通って、インターネットや目的の相手先へ届けられます。
いわば、利用者と事業者のネットワークをつなぐ「玄関口」の役割を持つ場所です。
メールの「POP3」とは別のものです
「POP」という言葉は、メールを受信するときの仕組みである「POP3」と混同されがちですが、まったく別のものです。
| 比較項目 | POP(Point of Presence) | POP3(Post Office Protocol version 3) |
|---|---|---|
| 種類 | 場所・設備(接続拠点) | 通信のルール(プロトコル) |
| 役割 | 利用者の通信を事業者のネットワークへ受け入れる | メールサーバーからパソコンなどへメールを受け取る |
| 使われる場面 | 回線やインターネット接続、クラウドサービスの設計 | メールソフトの受信設定 |
ネットワークや回線の話題で「POP」と出てきた場合は、多くの場合「接続拠点」の意味です。
POPの役割
POPには、主に次のような役割があります。
- 利用者の通信を受け入れる:近くのPOPにつなぐことで、通信が長い距離を回り道せずに事業者のネットワークへ入ることができます。
- 通信をまとめて送り出す:各地から集まった通信を、バックボーンを通って目的地へ送り出します。
- 他のネットワークとつなぐ:ほかの事業者のネットワークとは、IX(インターネットエクスチェンジ)などを通じて相互に接続されます。
- 通信の管理を行う:通信量や機器の状態を監視し、障害が起きたときの切り替えなども行います。
POPが利用者の近くにあるほど、通信の遅れ(遅延)が小さくなりやすく、通信が安定しやすくなります。
POPの身近な例
ダイヤルアップ時代の「アクセスポイント」
インターネットが電話回線で接続されていたダイヤルアップの時代には、プロバイダが全国各地に「アクセスポイント」を用意していました。利用者は、なるべく近くのアクセスポイントの電話番号に接続して、通話料金を抑えていました。このアクセスポイントがPOPにあたります。
現在の光回線
現在の光回線でも、利用者の通信は通信事業者の設備を経由して、プロバイダなどの接続拠点からインターネットへ出ていきます。夜間などに通信が遅くなる場合、利用者側の機器だけでなく、こうした接続拠点やその先の経路の混雑が影響していることもあります。
クラウドサービスやセキュリティサービス
最近では、クラウド型のサービスも各地にPOPを置いています。たとえば、Webサイトの表示を速くする配信サービスや、クラウド上でセキュリティ対策を行うSASEなどのサービスでは、利用者に近いPOPで通信を受けて処理することで、速度とセキュリティの両立を図っています。
企業がPOPを意識する場面
普段の業務でPOPを意識することは少ないものの、次のような場面では確認しておくと役立ちます。
- 回線やプロバイダを選ぶとき:混雑する時間帯の速度や、接続方式(IPoEなど)を確認しておくと、速度低下に備えられます。
- 拠点間ネットワークやクラウド接続を設計するとき:どのPOPを経由して通信するかによって、遅延や障害時の影響範囲が変わります。
- クラウド型セキュリティサービスを導入するとき:国内にPOPがあるか、拠点の近くで通信を処理できるかを確認しておくと安心です。
BCCによるネットワークの構築・運用支援
回線の速度低下や通信の不安定さは、社内の機器、回線、プロバイダの設備など、さまざまな箇所が原因になりえます。原因を切り分けるには、ネットワーク全体の構成を把握しておくことが大切です。
BCCの「BM X(BCC Managed Cross)」は、ネットワークの構築から運用・監視までを支援するサービスです。
- 必要なサービスを選んで組み合わせたい場合は「BM X TypeI」
- 拠点ごとに分かれたネットワーク機器の管理をひとつにまとめたい場合は「BM X TypeM」
通信環境の見直しや、回線・ネットワーク構成についてもお気軽にご相談ください。