IT業界のフィールドセールスとは?
フィールドセールスとは、セールス担当者が直接顧客を訪問し、対面で提案を行うセールス形態です。
訪問型営業や外勤型営業とも呼ばれています。
ここではIT業界におけるフィールドセールスについて、その必要性や仕事内容、メリット・デメリットなどをご紹介します。
必要性
IT業界では、製品やサービスが高度で複雑なケースも多く、顧客の具体的なニーズを直接把握し、最適な提案を行うことが求められます。
フィールドセールスは、顧客との対面でのコミュニケーションが可能なため、顧客と信頼関係を築き、顧客の深い理解を得ることができます。
顧客のニーズに寄り添い、高度な技術的知識やカスタマイズ提案が必要なIT業界では、直接的なやり取りが成約率向上の鍵となるため、フィールドセールスは極めて重要な役割を果たします。
仕事の内容
フィールドセールスの主な仕事内容は、以下の4つに分類されます。
● 顧客営業
● 提案活動
● 契約交渉
● アフターフォロー
「顧客訪問」では、直接顧客先を訪れ、ニーズや課題をヒアリングします。対面で顧客のニーズを引き出しやすいフィールドセールスのメリットを活かした業務内容です。
「提案活動」では、聞き出した顧客のニーズに合わせて、ソリューションを提案します。対面で実際に顧客に製品やサービスの良さを体感してもらい、魅力をアピールすることが重要です。
「契約交渉」では、 提案内容に基づき契約条件の調整や交渉を行います。
「アフターフォロー」では 導入後のサポートや追加提案を通じて、顧客満足度を高めます。
メリット・デメリット
フィールドセールスのメリットは「顧客との信頼関係を構築しやすい」「顧客のニーズの深堀・提案が可能」「顧客体験の充実による成約率の向上」などのメリットがあります。
フィールドセールスは、顧客と対面で直接コミュニケーションを取れるため、信頼関係を築きやすく、ニーズを細かく把握できるため、最適な提案を行うことが可能な点は大きなメリットといえます。
一方でデメリットとして、「移動時間・コスト」「担当可能な顧客数に限界がある」などが上げられます。
フィールドセールスを行うためには、顧客先を訪問する必要があるため、移動時間やコストの負担が大きくなる点はデメリットです。
また同様の理由により、担当者が持てる顧客数に限界がある点もデメリットといえるでしょう。
インサイドセールスとの違い
フィールドセールスとインサイドセールスとの最も大きな違いは対面・非対面の違いです。
インサイドセールスは、電話やメールなどの非対面手段で営業活動を行います。一方、フィールドセールスは直接顧客と対面し、深い関係を構築し、複雑な提案を行える点で異なります。
フィールドセールスが顧客との深いコミュニケーションを軸に、受注率の向上などを目指せる点が強みです。
一方でインサイドセールスは移動やコストの負担が軽いため、より多くの顧客にアプローチでき、リード獲得で強みを発揮する営業手法です。
この役割の違いも両手法の大きく異なる点といえるでしょう。
IT業界におけるフィールドセールスのポイント
次に、IT業界のフィールドセールスにおいて重要な6つのポイントを紹介します。
● マーケティング戦略への位置づけ
● PDCAサイクルの展開
● 営業活動の経験値
● ニーズに応える提案力
● 顧客とのコミュニケーション能力
● 部署間の連携・フォロー体制
マーケティング戦略への位置づけ
フィールドセールスは、単独で機能するものではなく、企業全体のマーケティング戦略と連携することで、その効果を最大化することが可能です。
たとえばマーケティング活動で得られたデータを活用することで、効率的かつ的確なアプローチが可能となります。
マーケティングツールを活用して顧客の行動履歴や関心事を把握し、訪問前に準備を整えることで、より深い信頼関係を築くことができます。
このように、フィールドセールスは、マーケティング活動と連携することで、リードの転換率を高める役割を担っています。
PDCAサイクルの展開
営業活動を成功させるためには、PDCAサイクルを徹底して回すことが重要です。
計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Act)の4つのプロセスを継続的に実施することで、営業活動の精度を向上させることができます。
例えば、訪問の計画段階で顧客の課題を徹底的に洗い出し、商談後にはフィードバックを基に成果を分析します。
その結果を次の訪問に反映させることで、より効果的な営業プロセスが構築されます。
PDCAサイクルを回す習慣をチーム全体で共有し、実践することで、組織全体の営業力が向上するでしょう。
営業活動の経験値
フィールドセールスを成功に導くためには、営業担当者の経験値が重要な役割を果たします。
顧客との対面コミュニケーションを通じ、業界知識や提案力、交渉力を磨くことが可能です。
新しい技術や製品についての知識を深めることで、顧客に対してより効果的なソリューションを提案できるようになり、成功例や失敗例を積み重ねることで成約率を向上させることが可能です。
こうした経験の蓄積は、営業担当者個々の能力を高めるだけでなく、チーム全体の競争力を向上させる要因となります。
ニーズに応える提案力
顧客のニーズに的確に応える提案力は、フィールドセールスの成功に欠かせません。
顧客の課題を深く理解し、それに最適なソリューションを提供するためには、事前のリサーチと的確な分析が必要です。
例えば、顧客が直面している具体的な課題や業界特有のトレンドを把握し、それに基づいた提案を行うことで、顧客の信頼を得ることができます。
さらに、提案内容が具体的で現実的であるほど、顧客はそれを受け入れやすくなります。
このように、顧客のニーズに応える提案力を高めることは、フィールドセールスの成約率向上に直結します。
顧客とのコミュニケーション能力
フィールドセールスにおいて、顧客との円滑なコミュニケーションを取れるコミュニケーション力は非常に重要です。
また、専門的な用語や複雑な技術的な説明を分かりやすく伝える能力も必要となります。
例えば、顧客のニーズを引き出すための効果的な質問を準備し、商談の中で適切なタイミングで提案を行うことで、より顧客に信頼され、成約につながりやすくなります。
コミュニケーション能力は、成約率にも直接結びつく重要なポイントといえるでしょう。
部署間の連携・フォロー体制
フィールドセールスを効果的に行うためには、営業部門だけでなく、他の部署との連携が欠かせません。
特にマーケティング部門やカスタマーサポート部門との協力は重要です。
例えば、マーケティング部門から提供される顧客データを活用し、訪問前に顧客の関心や課題を把握することで、より効果的な提案が可能になります。
また、カスタマーサポート部門と連携して、導入後のフォローアップをスムーズに行うことで、顧客満足度をさらに高めることができます。
このような部署間の連携体制を強化することで、企業全体で一貫性のある顧客対応を実現できます。
IT業界のフィールドセールスをアウトソーシングできる?
フィールドセールスのアウトソーシングは、専門的な知識や経験を持つ人材を活用し、営業活動の効率化やコスト削減を図る手段として有効です。
たとえば、リソースが不足している企業や新規市場開拓を目指す企業にとって、アウトソーシングは柔軟な選択肢となります。
弊社では、IT営業の営業支援を行っており、フットワークの軽い若手営業から即戦力となる経験豊富なベテラン営業まで、幅広い人材を揃えています。
弊社の人材はコミュニケーション能力を重視した採用基準をクリアし、独自の教育プログラムを受けた人材のみとなっており、新規マーケット・顧客の開拓、業務効率化など、営業部門の幅広い分野で、支援が可能です。
フィールドサービス
フィールドセールスは、顧客との深い信頼関係の構築とニーズに応じた提案で、営業成果を大きく向上させられる点が強みで、IT業界の営業に欠かせない機能です。
PDCAサイクルの実践や部署間連携の強化を通じて、さらにその効果を高めることができます。
アウトソーシングという選択肢を活用することで、これらの活動を効率的に進めることが可能です。
BCC株式会社では、営業のアウトソーシングサービスをご提供しています。サービスの詳細などについて、以下のページより
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フィールドセールス職の転職市場とキャリアパス
近年、IT業界を中心にフィールドセールス職の求人が増加傾向にあります。とくにSaaSビジネスの拡大に伴い、提案力と信頼構築力のある営業職のニーズが高まっています。顧客との密接な関係を築き、複雑なプロダクトの魅力を伝える役割を担うフィールドセールス職は、高いスキルと柔軟な対応力が求められる職種です。
そのため、転職を考える多くの営業パーソンがこのポジションに興味を持ち、キャリアチェンジを検討しています。企業側も、カスタマーサクセスやインサイドセールスとの連携を見据えた体制構築を進めており、より戦略的な営業活動ができる人材に注目しています。
フィールドセールス職のキャリアパスとしては、マネージャーや事業責任者といったポジションへの昇格が一般的であり、長期的に活躍したいと考える人には魅力的な選択肢です。また、年収面でも評価されやすく、見込み顧客との関係性構築や売上責任を担う重要な職種として位置づけられています。
このような背景から、フィールドセールス職は「現場感」と「戦略性」を兼ね備えた営業のハイブリッド型職種として、今後ますます可能性が広がっていくことが予想されます。
フィールドセールスに向いている人の特徴と必要なスキル
フィールドセールスは、顧客と直接対面しながら提案・交渉を行う営業職です。そのため、向いている人にはいくつかの共通する特徴があります。まず挙げられるのは、人と関わることが好きで、相手の話をよく聞く姿勢を持っていること。顧客のニーズを深く理解し、関係を構築するには、高いコミュニケーションスキルが必要です。
また、自社サービスの商材や業界知識をしっかり学び、適切なタイミングで提案xきる判断力や応用力も重要な要素です。とくにIT業界では技術の変化が早く、日々アップデートされる知識を吸収し続ける学習意欲も欠かせません。
加えて、フィールドセールスは一人で動くことも多く、自ら考え行動する自主性や、成果に対する強い意識も求められます。クライアント対応においては、得意な部分を活かしつつ、自分の弱みも認識し、改善する姿勢が長期的な成果へとつながります。
このように、フィールドセールスで活躍する人材には、スキルと特性の両面で一定の条件が求められるのです。採用時に見られる代表的なポイントは以下のとおりです:
• 対人関係構築が得意
• 提案内容を相手に合わせてカスタマイズできる柔軟さ
• 社内外と円滑に連携できる協調性
• PDCAを回して成長しようとする姿勢
これらのスキルや特徴を活かし、結果を出していくには、営業職という枠にとどまらず、ビジネス全体を俯瞰する思考力も求められるでしょう。
未経験から始めるフィールドセールスの方法と注意点
フィールドセールスは、対面での提案力とコミュニケーション力が求められる営業職のひとつです。そのため「未経験から始めるのは難しいのでは?」と感じる人も多いかもしれません。しかし、適切な方法と準備を行えば、未経験からでも十分に活躍する可能性があります。
まず、フィールドセールスの仕事を始めるためには、基本的な業界知識と顧客理解の姿勢が必要です。無料の情報サイトや解説記事を活用して、IT業界の構造や営業の流れについて学ぶところからスタートしましょう。最近では、SaaS系企業などが提供するオンラインコンテンツや動画講座、職種別のキャリア情報も充実しており、未経験者向けのナレッジ獲得に役立ちます。
また、事前に営業職のリアルな現場を知ることも重要です。営業ブログや現役フィールドセールスの記事、インタビューなどを検索することで、自分に合うかどうかの判断材料が得られるでしょう。
さらに、スムーズにスタートを切るためには、利用する企業やツールの特徴を把握することもポイントです。たとえば、どのような情報管理システム(CRM)を使っているのか、アポイントの取り方や提案資料の作成方法はどうなっているのかなど、現場に即した情報収集が欠かせません。
設定すべき目標やKPIを明確にすることも、継続して成長していくうえで効果的です。特に未経験者の場合は、最初から完璧を目指すのではなく、まずは「できることから始める」「一歩ずつ前進する」といった姿勢が求められます。
自信が持てない人は、まずフィールドセールスの入門記事や業界マップから学び始めるのがおすすめです。登録無料の講座や支援サービスを活用することで、効率的に準備を進めることができるでしょう。
SaaSビジネスとフィールドセールスの関係性
SaaS(Software as a Service)ビジネスの拡大とともに、フィールドセールスの重要性も急速に高まっています。クラウドベースのプロダクトは、顧客のニーズに応じた柔軟な導入が可能な一方で、導入前の不安や不明点を対面で解消する営業職の存在が極めて重要です。
特に、CRMなどの情報管理システムや、業務改善ツールの販売においては、顧客の課題に対して具体的な提案を行う必要があります。そのため、フィールドセールスは単なる商品の説明ではなく、顧客の業務や社内体制、利用状況まで踏み込んだヒアリングが求められます。
SaaSのような継続利用型のプロダクトでは、初期契約だけでなく、長期的な関係構築が前提となります。したがって、フィールドセールスは初期段階のアポイント獲得から提案、導入支援、継続利用の促進まで、一連のビジネスプロセスを担うことになります。
また、近年ではマーケティング部門と連携したコンテンツ活用型セールスも注目されています。ウェビナーや記事などのwebコンテンツをきっかけにリードが発生し、そこから見込み顧客を育成し、最終的に対面でのクロージングを行うというハイブリッドな流れが一般的になりつつあります。
このような背景から、SaaS企業におけるフィールドセールスは、「売る力」だけでなく、ナレッジの蓄積や社内の他部門との連携、ツールの操作知識など、さまざまなスキルを求められる役割になっています。
フィールドセールスを活かす営業戦略の設計方法
フィールドセールスは、ただの訪問営業にとどまらず、企業の営業戦略全体に深く関わる重要な職種です。顧客との対面での関係構築力を最大限に活かしながら、効率よく売上を上げるには、明確な戦略設計が不可欠です。
まず第一に必要なのは、社内での役割整理と情報の一元管理です。たとえば、マーケティング部門が生成したリード情報を、CRMなどの管理ツールを通じて営業チームにスムーズに連携し、案件化までのスピードを高める体制を整えることが重要です。
また、提案活動を成功に導くには、事前にしっかりとした提案資料の作成が必要です。顧客の業界や課題に合わせてパーソナライズされたプレゼンテーションを構築し、アポイント時に使用する資料として活用することで、信頼性と説得力を高めることができます。
フィールドセールスにおける営業活動のポイントは、仕組み化と再現性の確保です。属人的な手法に頼らず、成功した商談プロセスや課題解決の手順を社内に蓄積・共有していくことで、チーム全体の底上げにつながります。
加えて、営業部門がマーケティング部門やカスタマーサクセス部門と密に連携することで、フィールドセールスはより横断的で強いビジネス組織として機能します。職種間の役割分担を明確にし、各部門の動きを統合することで、商談の成功率は大きく向上します。
このように、フィールドセールスを最大限に活かすには、業務フローの設計・資料作成・部門連携・継続的な改善を含めた総合的な戦略が求められます。
営業におけるやりがいとフィールドセールスの魅力
営業職のなかでも、フィールドセールスには独特のやりがいがあります。それは、顧客と直接会って信頼関係を築きながら、自らの提案によって課題を解決し、ビジネスに貢献できるという実感の強さです。
特に、IT業界やSaaS企業のフィールドセールスでは、顧客が抱える業務課題に寄り添い、複雑なサービスをわかりやすく伝えるコミュニケーション力が求められます。そのぶん、提案が成功し、導入が決まったときの達成感はひとしおです。顧客から「あなたのおかげで助かった」と感謝される場面も多く、自分の存在価値を感じられる仕事だといえるでしょう。
さらに、フィールドセールスは「売るだけの仕事」ではありません。相手の立場に立ってニーズをくみ取り、最適な提案を考える「伴走型の営業」として、顧客との関係を深めていける点が大きな魅力です。
加えて、この職種では若手でも裁量を持って活動できる機会が多く、20代で活躍する人も少なくありません。早期に責任あるポジションを任され、ビジネスパーソンとしての成長スピードが速いことも特徴的です。特に「人と関わるのが好き」「成果が数字で見える仕事に就きたい」と考える人には向いているでしょう。
こうした背景もあり、近年は「フィールドセールスという働き方」に注目が集まっています。実際に転職市場でも、20代〜30代を中心に人気が高まっており、将来性のある職種として再評価されています。
フィールドセールス職に関するよくある相談・Q&A
ここでは、フィールドセールス職に関心を持っている方から寄せられることの多い相談内容や質問をもとに、Q&A形式で解説していきます。未経験から挑戦したい方や、キャリアに迷っている方にも役立つ内容をまとめました。
Q1. フィールドセールスはどんな人に向いていますか?
A. 人と話すことが好きな方、自ら動いて結果を出すことにやりがいを感じる方には特におすすめです。顧客との信頼関係を築くのが得意な人に向いている職種です。
Q2. 経験がなくても応募できますか?
A. 多くの企業が未経験者にも門戸を開いており、無料の研修プログラムや、入社後の育成制度が整っている会社も増えています。特に20代〜30代の転職希望者がチャレンジするケースが多いです。
Q3. フィールドセールスのキャリアパスは?
A. 一般的には、営業職からチームリーダー、マネージャー、事業責任者とキャリアアップするパターンが多く見られます。顧客対応だけでなく、チームや社内管理、戦略設計にも関わるチャンスがあります。
Q4. 相談したいときはどうすればいい?
A. 転職エージェントを活用するのが効率的です。フィールドセールス向けの求人を多数扱っているエージェントもあり、オンラインで無料相談が可能なサービスも増えています。まずは登録してみることをおすすめします。
Q5. 仕事内容をもっと詳しく知るには?
A. 実際の現場の声を知るには、記事やインタビュー、体験談などを読むのが有効です。また、弊社ではフィールドセールスに関する詳しい解説資料を無料で配布しています。目次付きのPDFで一覧性も高く、初めての方にも分かりやすい構成です。
BCC株式会社では、営業のアウトソーシングサービスをご提供しています。サービスの詳細などについて、以下のページより
ダウンロードいただけますので、営業のアウトソーシングをご検討の担当者様はぜひご覧ください。