ダイヤルアップ (Dial-Up)
ダイヤルアップは、電話回線を使用してインターネットにアクセスする方式です。この方式では、ユーザーがコンピュータにモデム(Modulator-Demodulator)と呼ばれるデバイスを接続し、電話回線を通じてインターネットサービスプロバイダ(ISP)のサーバーに接続します。
ダイヤルアップの仕組み
モデム接続:
ユーザーが自宅やオフィスのコンピュータにモデムを接続します。
電話回線を通じたダイヤル:
ユーザーがISPの提供する電話番号にダイヤルアップして、サーバーと通信のための接続を確立します。
モデムの音声合成:
ダイヤルアップ接続の際、モデムは特有の音声を発生させます。これは、通信中のデータを音声信号に変換するためのものです。
IPアドレスの取得:
接続が確立されたら、ISPからユーザーに動的にIPアドレスが割り当てられます。
通信:
ダイヤルアップ接続が確立されたら、ユーザーは通常、電子メールの送受信、ウェブブラウジング、ファイルのダウンロードなどのインターネットサービスを利用できます。
ダイヤルアップの特徴と制限:
低速な転送速度:
ダイヤルアップの転送速度は比較的低く、通常は56 Kbps以下でした。これは、電話回線の制約によるもので、高速ブロードバンド接続が普及するまでの間、一般的でした。
利用と同時に電話は不可:
ダイヤルアップ接続を使用している間は、電話回線が占有され、同時に電話をかけることができませんでした。
接続が切れやすい:
電話回線はノイズや干渉に敏感であり、通信品質が低下すると接続が切れやすくなることがありました。
ダイヤルアップは、1980年代から2000年代初頭にかけて主流でしたが、ブロードバンドの普及により高速かつ安定した接続が一般的になり、ダイヤルアップの利用は減少しました。現在では、一部の地域や特定の用途でなお使われていることがありますが、一般的なホームユーザーや企業のインターネット接続手段としてはあまり見られません。