UDP(User Datagram Protocol)は、コンピューターネットワーク上でデータを転送するための通信プロトコルの一種です。UDPは、IP(Internet Protocol)の一部を構成しています。UDPは、主にデータの高速な転送と、一定のタイミングや順序を保証しないシンプルな通信を実現するために使用されます。
■UDPの主な特徴と利点、使用される場面について
・コネクションレスプロトコル: UDPはコネクションを確立しないため、データの送受信に際して複雑なハンドシェイクやセッション管理が必要ありま
せん。このため、通信のオーバーヘッドが少なく、データ転送が高速です。
・順序とタイミングの保証なし: UDPはデータパケットを順序やタイミングに関係なく送信します。したがって、データが到着する順序が保証されず、
パケットの到着が確実であるとは限りません。これは、ストリーミングメディアやリアルタイムゲームなど、一部のアプリケーションで問題になる
ことがあります。
・信頼性の低下: UDPはエラーチェックや再送制御の仕組みを持っていません。そのため、パケットの損失や重複が発生する可能性があります。しか
し、これによって通信速度が向上する反面、信頼性がTCP(Transmission Control Protocol)よりも低いと言えます。
・ユースケース: UDPは、データの到着タイミングや順序が厳密でないアプリケーションに適しています。例えば、DNS(Domain Name System)クエ
リ、VoIP(Voice over IP)通話、ビデオストリーミング、オンラインゲームなどが挙げられます。これらのアプリケーションでは、データの高速な送
信が重要であり、一部のパケットの損失や順序の逆転が受け入れられることがあります。
要は、UDPは高速なデータ転送が必要で、信頼性や順序があまり重要でない場合に選択されるプロトコルとなります。